海外駐在で学んだ事

東野村 公昭


 

        初めての海外旅行(1982年米国西海岸)

    米国駐在時(1992-98年)のニューヨーク, マンハッタン


 海外駐在に憧れて

1982年大学3年の夏休み、初めての海外旅行として約1ヶ月米国西海岸でのホームステイを経験しまし

た。活気があり陽気な米国の方々と交流し、海外関連の仕事をしたいとの気持ちが強くなりました

。1984年に在阪電機メーカーに入社し希望していた海外部門への配属となり、海外営業部にて米国や

台湾の取引先との受注交渉や出荷業務を担当、入社8年目の1992年初めての海外駐在地となる米国ニュ

ージャージー州に赴任しました。当時は携帯電話もネット情報もなく、日本の情報は新聞か時間限定

で放映されるテレビ放送のみです。米国生活に慣れるまで様々な苦労があり、同じ会社の日本人駐在

員や米国人社員、隣に住む親切な米国人夫婦等、周りの方々に色々と助けて頂きました。

 

 

海外駐在19年

在職時の海外駐在先は、米国・香港・上海の3ヶ所で計19年。現地では、それぞれの現地販売会社で家

電商品の現地市場での販売・マーケティング・営業管理等に携わりました。日本では海外営業部に所

属し、世界各地の販売会社・代理店・協業先との受注交渉や契約締結交渉等を行いました。

 

文化や商習慣の異なる海外3ヶ所に在住し、現地の方々と公私ともに様々な交流を続けるなかで、日本

企業が海外でビジネスを展開するうえでのポイント等を実地で学ぶことが出来たと思っています。

 

 

現地で学んだ事

一般論ではありますが、海外とのビジネスでは日本人通しのような“あうんの呼吸”は通用せず、自分の

考えを論理的にわかりやすく相手に伝える必要があります。また、合意した事は相手先と親しくなっ

てからも、必ず書面で確認するよう心がけました。

 

相手先の文化や商習慣への理解も必要です。例えば、米国では合理主義、Time is moneyで時間を無駄

にしない、半日かけて中西部に商談にいっても、オフィスの隅の打合せテーブルで要点を絞った商談

を大体1時間以内ですませ、また半日かけて自宅に戻ったりしていました。

 

一方、中国に駐在していた頃は、客先との商談に出向くと長時間じっくりと話し合ったうえで、その

後夕食を共にして遅くまでお酒を酌み交わして交流を深めました。これらは、一例としての自身の体

験談であり、様々なケースがありますが、商談相手先の文化・商習慣の理解とそれを踏まえた柔軟な

対応は重要だと思います。

 

海外向けビジネスに本格的に取り組もうとされている中堅・中小企業の方々に、これまでの自分自身 

の海外での経験が少しでもお役に立てるような活動を続ける事が出来れば、とても嬉しいです。